昨年8月に市に提出された調査結果は、市と市企業局が主張し続けていた自然災害を否定。「いかなる高濁度であっても処理できるとする対応は受け入れられない」と、取水停止をせず高濁度の原水を引き込んだことが広郷浄水場の浄水機能を破綻させた原因、と指摘した。
海老江名誉教授らの調査とは別に、厚生労働省健康局水道課は7月に現地調査を行った。市企業局はその報告書を受け取っている。
同省の報告は、予想された高濁度の原水への対応で企業局が受託業者に明確な指示を出しておらず「管理目標値を大幅に超えたのに取水停止などの措置を取っていない」と、海老江名誉教授と同様、取水停止をしなかったことが浄水機能破綻の原因だとしている。
市企業局も独自に調査検証会議を設置して自己検証を行ったが、取水停止を判断する濁度計は「さまざまな要因が重なり、大きな違いが生じていることが認識できなかった」などと自己弁護に終始した。取水停止についての検証は行われていない。
学識経験者・厚労省の認識を軽視
一方、北見市議会は海老江名誉教授らの報告を受けて8月に断水問題調査特別委員会を設置。14回にわたり断水問題全般を検証した。
海老江名誉教授は、高濁度の原水が長時間、浄水施設に流入したことについて「通常の管理では、異常水質の原水は管理者が許可しない限り無断で浄水場に流入することはありえない」と報告書とは別に文書で回答。管理者の立場に立つ者が、取水停止を指示せずにいたことを指摘した。
さらに、どういう状況で取水停止をするべきかという点について「水道法が定める水質を満足できないと判断した時点」と明記した。
同特別委で企業局は、断水の原因について「想定外の濁水で冷静な判断ができなかった」と繰り返し答弁。浄水場の運転管理を委託している業者の責任についても市企業局は「記録や記憶がない」として、明確な答弁を行わず、一貫して異常事態による『非常災害』との主張を崩さなかった。
同特別委員会は11月19日、報告文案を全会一致で承認。損害賠償への対応では市に対し、法的な根拠を重視するよう求めた。断水の原因は、同調査委の報告を「尊重する」とした。その一方で、局所的な豪雨による高濁度水の流入という「異常事態」との認識も併記。
市が原因技術調査委設置前から市民に示した「非常災害」を容認した形。これが、水道事業給水条例16条3項に基づく「責めを負わない」という市の主張の根拠になった。−つづく− (粟)
写真…北見市議会断水問題調査特別委の様子(昨年8月30日)