この訴訟は、口頭で受水槽の清掃を依頼した市企業局が「非常災害なので責任を負わない」と、同社が行った清掃工事など4件、総額約50万円の代金支払いを拒否続けた。このため、代表が昨年12月5日に北見簡易裁判所に訴えた。
当初、1日で結審する少額訴訟だったが、被告の市が一般民事訴訟の手続きを取ったため、公判の日程が約1ヵ月遅れた。
しかし、2月19日の第1回口頭弁論で被告の市は、代表取締役の請求の認否を保留。3月17日の第2回口頭弁論では「契約が成立している」として代表の請求を認諾し、事実上、市の全面敗訴となった。
代表は、同様に市企業局や市と口頭で契約していても市に工事代金の請求を拒否されている事業者が多いことから、裁判直後、「この結果に沿ってほかの事業者にも支払ってほしい」と訴えていた。
しかし、翌18日の市議会本会議で神田孝次市長は、裁判結果について行政報告し、「同様の請求は司法判断が適切」と、代表の請求以外はすべて支払いを拒否。請求があれば裁判所に訴えるべき、との考えを示した。
このため、議会は翌19日の未明にまで及ぶ質疑が続き、神田市長の辞職勧告決議(採決で否決)が提出された。
関係者によると、代表は昨年秋ごろから放射線治療などを受け、一時は回復していたが、裁判中は体調を崩すことが多くなっていたという。公判中、代表は「北見市は間違いを正すべき」「結果をほかの工事代金請求に役立ててほしいから、残る命を裁判にかける」と話していたという。
代表は、裁判が終結後、10日ほどして体調を崩し、入院していた。訃報を聞いた関係者は「悔しい…」と唇をかんでいた。 (粟)
写真…がんと闘いながら裁判に臨む故・加藤氏(2月19日、北見簡易裁判所)