オホーツクフリーペーパー経済の伝書鳩


網走話題・行事
掲載日=2008/05/01
見出し一覧に戻る

特産品キンキ増殖へ「謎」解明
東農大講師と学生、活発な精子研究し 
 東京農大網走アクアバイオ学科の松原創講師と学生が、キチジ(キンキ)の増殖に向けた研究に取り組んでいる。松原講師らはこれまで、動きの活発なキンキの精子について、1匹が保有する精子の量と水素イオン指数に深く関連することを突き止めた。研究には網走漁協延縄部会が協力し、松原講師は「今後はふ化に最適な飼育状況を探りたい」と話している。
網走漁協の協力得て高確率でふ化

 キンキは深海性の魚で、網走は日本で唯一の「釣りキンキ」の産地であり、特産品として人気がある。ただ、資源量は世界的に激減傾向にあるため、増殖の研究に着手した。

 深海性の魚であるキンキは水温0度から8度でしか生息できず、飼育は困難とされる。青森県の水族館では10年以上の飼育記録があるが、本格的な増殖研究は国内外で例がない。

 松原講師の研究グループは、中村漁業と水谷水産工業からキンキの親魚の提供を受けている。増殖研究を進める上で、生育状態がよい生きたままのキンキは欠かせない。

 28日までに同大に提供されたキンキの雄12匹のうち5匹が、運動が高い精子を持っていた。松原講師らは、精子の運動活性の差に着目し研究を進めたところ、1匹が保有する精子の量と水素イオン指数(アルカリ性など)が関連することを発見した。

 こうした関連性を見つけたことで、人工授精する際は良質な精子のみを使え、高い確率でふ化させられるメリットがある。松原講師らは現在、精子の長期保存に不可欠な液である「精漿(せいしょう)」を人工で作る研究に取り組んでおり、成功すれば運動活性の高い精子を大量に冷凍保存でき、養殖に向けた研究に弾みをつけられる。

 ただ、深海魚であるキンキの増殖に向けた道のりは険しそうだ。松原講師は「高級魚を提供してくださる同部会に感謝している。時間はかかるが研究を重ね、網走の特産品であるキンキの増殖をめざしたい」と張り切っている。      (大)

写真上…地元漁業者から提供されたキンキ

写真左…キンキの受精卵


見出し一覧に戻る
トップに戻る




掲載されている記事、写真の無断転載はご遠慮ください。
ご意見・ご要望がありましたらこちらまで
Copyright (c) Denshobato Co., Ltd. Allright reserved