初代会長は5歳から無加川で釣りを楽しみ、役場に勤めていた時も、早朝から役場裏の川でヤマベ釣りを楽しむ大の釣り好き。釣り歴は75年に及ぶ大ベテラン。書簡は亡くなる1ヵ月前に仲間に「春熊が出る時期に読んでほしい」と、手渡していた。
書簡は熊に遭遇したかつての体験記。それによると、初代会長は平成10年7月14日、旧・留辺蘂町厚和の無加川支流の沢にバイクで釣行した。のべ竿を片手に熊避けの鈴を腰に着けて沢に入り、下流へと釣り下った。釣りを終え、1キロ先のバイクに戻ろうと舗装路を歩いていた時、突然50メートル先の草むらから体長2メートルの熊が突然に飛び出した。
一瞬目が合い、電気ショックを受けたように、その場に棒立ち。熊は威かくするわけでもなく、再び草むらの中に入っていった。その熊が立ち去るのを確認しながら逃げ帰った。その際、怖さのあまり、バイクのクラクションを鳴らし大声を上げながら、背中に表現できない恐さを感じていたという。
「想像以上の恐怖。熊の出没情報を知っていながら、『釣りたい』という一心で周囲が見えなくなっていた。鈴の音や線香を持っていれば、という過信もあった。釣りは安全が第一。別な釣り場所を探す、心の余裕と冷静さを忘れないでほしい」とつづっている。 (斉)