昨年12月の少額訴訟では、清掃工事をした事業者が工事先の受水槽所有者から代金を受け取れず、市に支払いを求めた。市は工事業者に口頭で清掃工事を依頼していたため、契約が成立し、市は争わずに代金支払いを認諾した。
その結果、代金は市が工事業者に支払った。一方、市は清掃工事を受けた所有者4件から代金を受け取っている。所有者が市に支払った理由はいずれも「自己が管理している受水槽であり、災害という認識に立って支払う」というもの。
背景には「断水は非常災害であり、市は損害賠償の責任を負わない」とする市の考え方と、「施設管理者・所有者には、法律上の理由がないのに(受水槽の清掃など工事をしてもらったという)利益を受けたのだから、返還する義務がある」という考え方があった。
17日に提訴した少額訴訟は、「企業局が支払う」との口頭での約束を基に、工事業者に工事を依頼し、代金を支払った所有者が起こした。直接の口頭契約の代金支払いを求めた昨年12月の訴訟と異なり、間接的に"立て替え払い"した代金を市に求めている。
立て替え払いの約束が契約に当たるかどうかが2件目の訴訟の争点になるとみられる。
原告の主張が通れば市は原告に代金を支払うことになるが、この場合、非常災害という認識に基づいた受益者(所有者)の返還義務そのものが問われることにもなりそうだ。(粟)