オホーツクフリーペーパー経済の伝書鳩


北見本紙連載
掲載日=2008/06/21
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北見市 断水から1年−(1)−
【北見・端野両自治区の市民大混乱】 
 昨年6月23日に起きた北見市の大規模断水から1年になろうとしている。北見自治区と端野自治区の市民を巻き込んだ断水事故は、北見市の上水処理技術者の意識の低さ、市政全体の危機管理意識と準備の甘さを浮き彫りにした。「非常災害だから損害賠償の責任は負わない」と市民の被害回復に応じない市に対し、昨年12月以後、2件の訴訟が起きた。市政と市民に大きな亀裂を生んだ1年を振り返る。
事業所含め約5万9千戸に被害

・断水の概要
 昨年6月22日午後、広郷浄水場の取水口がある訓子府町日出の常呂川上流で集中豪雨があった。支流の濁りが本流に入り込み、濁度が急上昇した。

 しかし、浄水場では急な濁度上昇に気付かず、高濁度の水を浄水場に引き込んでしまった。さらに、それを処理しようとしたために浄水システムが破綻。23日午前7時30分、給水を停止し、午前8時半ごろから17台の広報車で市内を巡回した。

 断水したのは北見自治区と端野自治区合わせて約5万9千戸(事業所含む)。断水地域全体で給水が再開されるまで5日かかった。市民は連日、水を求めて臨時給水所に長い列を作った。

 製造業、飲食店、美容・理容など多くの業界で営業休止が相次いだ。特に医療機関や介護施設では給水再開後の濁り水が受水槽に流入し、給水再開後も治療や給食に大きな支障が出た。

 受水槽の点検・清掃、給湯器の故障も相次ぎ、大きな損害を出した事業所も多い。

 営業を休止した飲食店には食材を廃棄した店も多い。

・情報の伝達
 広報車は音量が小さく、スピードを落とさずに走った車もあったため、断水と気付かない市民も。一方で市職員の家族、知人などには職員から断水に備えて水を貯めるよう連絡があったことが分かった。

 当初、復旧までに約3時間という広報もあった。職員の間にも確実な情報が伝わらず、臨時給水所など給水現場などでは混乱が続いた。

・職員の意識
 市と市企業局職員は苦情の対応に追われたが、こうした中、神田孝次市長は23日夕方の記者会見を中座。知人の結婚式に出席した。

 当時の北見地区消防組合消防本部の消防長も23日、研修で市留辺蘂町に宿泊。私的用事で現場を離れていた。

 さらに、職員20人がサッカーの全道大会に出場。断水から3日後に帰北していたことも分かった。

・補償対応とオンブズマンの意見
 断水直後から市企業局には受水槽の清掃、給湯機器の修理、営業休止による損害の補償について問い合わせが殺到していた。

 対応した職員は断水から数日間は「市が支払う」と対応していたが、28日ころになって、返答を保留するようになった。

 北見市の断水当時の代表オンブズマン(弁護士)は、断水から5日後の6月28日、市に意見書を提出した。

 意見の柱は「断水の原因を究明し、いかなる事態でも対応可能な危機管理体制を構築するのが市の緊急かつ最大の責務」というものだった。

 しかし、同時に市の水道事業給水条例の16条を紹介しながら「非常災害の場合、市は責任を負わない」とする趣旨を付け加えていた。

 市と市企業局が「支払う」という対応をしなくなったのは、オンブズマンの意見が背景にある。 −つづく−  

写真…臨時給水所に並ぶ市民


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